自作ゲームフェス勉強会 感想



開場時刻間もなくに会場へ着いたのですが、すでに10人ほど座っていてビックリでした。
受付で自作ゲームフェス2018の案内と名札が配られて席で待機。
勉強会の開始時間が近づくと、おもむろに参加者が増えてきました。50人いたらしいです。
個人的には、50人で多い方なんだなぁと思ったり。

そして、やっぱりメガネ率が高かった(80%以上)。しかし、スタッフの方々にメガネはあまりいませんでした。


13時。伊予柑氏の司会で勉強会が開始。
12月から1月にかけてが応募期間の自作ゲームフェスの前イベントということですが、
実は、私自身、応募するには環境が厳しい。それにも関わらず勉強会のお誘いを受け、
せっかくの機会だったので参加することにしたということです。



オープニングではドワンゴ様のプロデューサー吉澤氏が得意の「謎かけ」を3本連続で披露。
最初の2本は微妙な流れでしたが、3回目は「おぉー!(拍手)」と盛り上がりました。

また、彼の話によると、「ゲーム作りは楽しいよ!」という体験を広めるためにゲームフェスが企画されたそうです。


13時10分。参加者の回答したアンケートを発表です。

1問目「主に使うツールと制作本数」とのことでしたが、
 ・MVで2本
という人から、私がメモした雑記帳によると
 ・カッターとペン、つまりアナログゲーム
 ・200本以上
 ・Unityで10本
作った人も集まっていたようです。数はこなすものですね。Unity勉強中の人も多いようです。

2問目「期待していること」については、

 ・ちょうどいいゲームバランス
 ・友達を作ること
 ・美味しいピザ(「無理です」と返されていましたw)

がありました。



13時16分。3人の講演が始まりました。まず最初は保井さんから。

・デザインの原義は、頭の中にあるものを表に出す、ということ
・ビデオゲームは「インパクト(感情)」と「コンテンツ(論理)」の掛け算
・プログラムは論理の塊
・ゲーム制作と動画制作は非常に似ている。
・PDCAはクリエイターにも使える。
・ゲームを投稿して、精神衛生で良い意見は聞き入れる。
・下手くそな絵は、それはそれで味があって面白い。
・苦手でもあえてやってみる。ロシア語すらゲ制に少し役立ったので、やって無駄なことはない。
・長編ものは全体設計が重要で、各シーンに何分置くか、という計画はするべき。
・ものを失ってから、その重要性に気づくというストーリーが好きだ。(ストーリーも論理の一つ)
このようにためになることをたくさん説いていらっしゃいました。



14時5分、私の憧れの人、らむらむ氏の講演が始まりました。悠遠物語は初公開までに2年半かかったそうです。

プレイヤーが「アガる瞬間」をテーマにしたものでした。

・寄り道したくなる好奇心もアガる要素。
・ホラーゲームは怖いけれども、逃れた時の安心となぜかまた見たくなるという好奇心が生まれるから面白くなる。
・自分のコンセプトや面白さをはっきり言えるといい。
・手に入れてうれしいと思う価値あるアイテム。
・おまけで入れたつもりの「ひとことメモ」を読みたいからアイテム集めが楽しいというプレイヤーもいて驚いた。
・10分以内の間隔でアガるポイントを入れる。
・例えばガチャで毎回超絶レアを引いてもつまらない。ギャップを入れることで気分が高まる。
・そういう意味では、ゲームでもアメとムチは使いよう。ツンデレの原則。
・キャラに愛着をつかせることでより世界を楽しんでもらう。
・6か月で1本作ることをおすすめします。

特にRPGにおいて参考になる講演でした。



14時38分。ところにょり氏の講演です。らむらむ氏のまじめなそれとは少し違い、笑いの多いものでした。

(アガる瞬間についてはあまり話していなかった気もする…)

・ゲームの目的「何をしたいのか」が大事
・同じような作業の繰り返しを、あたかもそうでないかのようにする。
・特にストーリーをクリアするとただの繰り返しになる。
 しかしコンテンツを作者が増やすには限界があるので、彼は
 「ユーザー同士でコンテンツを作りあってもらう」ことにし、終わらないゲームができた。
・大手企業のように広告に費用はかけたくないので、Twitterや実況動画で拡散してもらうのも名を上げる手。
・今できることから広げていく。

というような内容でした。



15時25分。小腹がすくだろうということで、なんと運営様が銀座木村屋の「あんバター」を1人1個プレゼント。
Twitterでよくみる「あんパンうめぇ」はこのことです。いや、本当にうまかったですよ。

15時33分。KADA氏とカモ君氏が「実況者の立場」での講演です。最近はゲームを「見る」のもトレンドですよね。
おすすめ実況動画としては「幕末志士シリーズ」「ゆめにっき」「NotTETRIS」「前向き勇者」などが挙げられました。
実況したくなるゲームとして、以下の内容がありました。

・ツッコみどころや感情を入れやすいところがある(バカゲー、ホラーゲー)
 →クオリティの高すぎるものも、実は実況向けではない。
・テンポが速い
・短編だと特にとっつきやすい
・視聴者がずっと見ていたくなる、片時も目が離せないようなプレイシーン
・回避不能で予測可能なものもウける。(「あぁーやっぱりそうなるよね」という流れ)
・導入が短い。プレイするシーンが多い。
・ちょっと変わるだけでこんなに難しくなるんだぁ、という意外さ(斬新さ)

それに加えて、
・スクショはもちろんタイトルも魅力的であればプレイしたくなる(「わさび食べ放題」など)
・Readmeや動画作成のガイドライン、エンディング数も実況の参考になる。
 →インパクトがあり、中身が素早くわかるものが有利。
・やや思考に時間がかかるもの、音声が重要なものは動画にしづらい。
・更新されているゲームには「動かされているなぁ」と感心する。

だそうです。そして、なぜフリーPCゲームを実況するか、というと
起動が早いし、型破りな面白さも秘めているからとのこと。


さぁ、講演が終わり、ワークショップの時間。

10秒自己紹介からスタート。(私は紹介すべき情報を間違えた気もします。)

そして、「即興ゲーム企画作り」。これがとにかく難しい。
何しろ、まず「世界観とプレイヤーのターゲット」「システム」「プレイヤーに届けたい感情」そして
「簡単なユーザー体験」を、たったの5分で作らなければならない。
そして別の人が、その設計を3分で手直しし、さらに次の人も3分で改良する、というプランニングゲーム。
時間が短くて焦りましたが、みなさん様々な面白いアイデアを盛り込んで最初に思い描いたゲームが
すごいものになっていきました。

たとえば、私は最初「農園の野菜が魔物化したものを倒す、戦略型RPGをベースにした野菜コレクション」を企画しましたが、
2人の手により「野菜人間をドレッシングで倒すディストピアなサバイバルゲーム」と化しました。
50作品分の全ゲームプラン、できることならば全員で共有したかったですね。


17時20分。お互いのゲームをプレイしあい、盛り上がり、分析し、フィードバックを返しあいました。

18時過ぎ、あっという間に勉強会が終わってしまいましたが、最後に「異世界勇者の殺人遊戯」という
優秀なフリゲがコミカライズされた漫画をいただきまして解散となりました。

私はその後の諸事情につき懇親会には参加できませんでしたが、
それでも本当に楽しく、(というか、参加者も講演者も面白い人だらけ!)
今後の制作に携わるうえで貴重な体験となりました。
みなさま、お疲れ様でした。



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